ロシア軍用機の撃墜 “地上作戦にも大きな影響か” 英国防省

ウクライナ軍がロシアの軍用機の撃墜を相次いで発表していることについて、イギリス国防省は、ロシア軍が作戦指揮に重要なA50早期警戒管制機の運航を一時見合わせた可能性が高いと分析し、ロシア側にとって上空だけでなく地上での作戦にも大きな影響が出るという見方を示しました。

ウクライナ軍は2月、ロシア軍の戦闘爆撃機「スホイ34」を10機、戦闘機「スホイ35」を2機、A50早期警戒管制機を1機撃墜したとしているほか、今月1日もウクライナ東部で新たに「スホイ34」を1機撃墜したと発表しました。

このうち特に作戦指揮に重要なA50について、イギリス国防省はロシア側が運用可能な9機のうち2機を2か月間で失ったとしていて、2日、「ロシア軍は内部調査を進める間、運航を一時見合わせた可能性が高い」との分析内容を公表しました。

そして、その結果として、「航空作戦の指揮統制能力が失われ、航空機の乗組員の状況認識が大幅に低下する」としたほか「地上部隊が必要とする空からの支援をおそらく提供できないだろう」と指摘し、ロシア側にとって上空だけでなく地上での作戦にも大きな影響が出るという見方を示しました。

ロシア側は2月末、国営軍事企業ロステクがA50の生産を再開する方針を明らかにしており、相次ぐ撃墜はロシア軍にとって大きな損失になっていることがうかがえます。