フーシ派が攻撃した貨物船が沈没 乗組員は避難 船から油が流出

中東イエメンの暫定政権は2日、反政府勢力フーシ派が攻撃した貨物船が沈没したと発表しました。地元メディアなどによりますと、沈没した船は、先月、紅海近くで攻撃された船で、フーシ派が紅海周辺で船舶への攻撃を続けるなか、フーシ派の攻撃で船が沈没するのは初めてだということです。

イエメンの反政府勢力、フーシ派は去年11月以降、イスラエルと戦闘を続けるイスラム組織ハマスとの連帯を掲げ、紅海周辺で船舶への攻撃を繰り返していて、船舶がう回を余儀なくされるなど世界の物流に大きな影響を及ぼしています。

こうした中、イエメンの暫定政権は2日「フーシ派に攻撃されたベリーズ船籍の船舶が沈没した」と発表しました。

現地メディアなどによりますと、沈没したのは先月、紅海につながるアデン湾でフーシ派によるミサイル攻撃を受けたベリーズ船籍の貨物船で、フーシ派の攻撃を受けた船舶が沈没するのは今回が初めてだということです。

貨物船は肥料を積んでいたということで攻撃後、すべての乗組員は避難していましたが、攻撃の影響で貨物船からは油が流出していて、イエメンの暫定政権はフーシ派の攻撃が深刻な環境汚染につながっていると非難しています。

フーシ派をめぐってはアメリカ軍とイギリス軍がことし1月以降、拠点を攻撃していますが、フーシ派による船舶への攻撃は収まっていない状況で、世界的な物流への影響が長期化することも懸念されます。