アメリカ軍がガザ地区に空から食料を投下 衝突開始後初めて

イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続く中東のガザ地区で食料不足が深刻化するなか、アメリカ軍は、一連の衝突が始まって以来、初めて、ガザ地区に空から食料を投下しました。

アメリカ中央軍とバイデン政権高官によりますと、アメリカ軍はヨルダン軍と共同で2日、C130輸送機を使って食料を詰めた貨物をガザ地区の地中海沿いに投下したということです。

このうちアメリカ軍は3万8000食分の食料を投下したということで、今後、これに続く投下作戦や、海からの物資の搬入についても検討しているとしています。

アメリカ政府が、ガザ地区に支援物資を空から投下したのは、一連の衝突が始まって以来、初めてです。

ガザ地区では、支援物資の搬入が南部の2か所の検問所からしか認められていないため、とりわけ北部への搬入が困難な状況が続き、住民の一部が飢餓の危機に直面しているとされます。

バイデン大統領は1日、「罪のない人々がひどい戦争に巻き込まれ、家族を養うこともできず、絶望している」と述べて、数日以内に支援物資を投下すると表明していました。

アメリカ国内では、ガザ地区の住民が人道危機に直面するなか、イスラエルに軍事支援を続けるバイデン政権への批判が強まっており、今回の食料の投下にはこうした批判をかわそうというねらいもあると見られています。