ドイツ ウクライナ支援の協議内容がロシア側に漏えい 調査開始

ドイツではウクライナへの軍事支援をめぐる軍の幹部も参加した協議の内容がロシア側に漏えいしたことがわかり、ショルツ首相は、2日、事態を重く見て調査を始めたと明らかにしました。ロシアの国営テレビ、RTの編集長は、1日、ウクライナへの軍事支援に関するドイツ軍の協議の内容だとする30分以上の音声をSNSに投稿しました。

投稿された音声は、ドイツ空軍トップのゲルハルツ総監らが参加した協議で、ウクライナが供与を求めている長距離巡航ミサイルを巡って、ドイツ軍の関与抜きにウクライナ側が運用できるかどうかなどが話し合われたとされています。

この音声を巡って、ドイツ国防省の報道官は、2日複数のメディアに対し発言の詳細が事実かどうかは言及を避けながらも協議自体は行われたと認め、盗聴された可能性があると明らかにしました。

メディアは協議は先月オンライン形式で行われたと伝えていますが、誰がどのように盗聴し、ロシア側がどう関与したのかなどの詳細はまだわかっていません。

今回の問題を受けてショルツ首相は、2日、訪問先のバチカンで報道陣に「非常に深刻な事態だ」と述べ、調査を始めたことを明らかにしました。

ドイツはウクライナに対してアメリカに次ぐ規模の軍事支援を行う主要な支援国で、今回の問題で機密情報の取り扱いの見直しも求められることになりそうです。

ロシア外相「狡猾な計画が明らかになった」

ウクライナへの軍事支援をめぐるドイツ軍の幹部も参加した協議の内容がロシア側に漏えいしたことについて、ロシアのラブロフ外相は2日、滞在先のトルコで「ドイツのショルツ首相とドイツ軍の対立について、また、彼らが、クリミア橋や軍の施設への攻撃をどのように準備しているのかという狡猾な計画が明らかになった」と述べました。

そのうえでラブロフ外相は「みずから暴露したものだ」として、漏えいにロシアが関与したかについては言及しませんでした。