【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(3月3日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる3日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ プロサッカーの試合を有観客で開催 侵攻後初めて

ウクライナのプロサッカーリーグでは2022年2月のロシアの軍事侵攻開始後、安全上の理由から観客を入れずに試合が行われていましたが、ファンや選手の強い要望を受け、政府は最寄りの避難所の規模に合わせて観客数に上限を設けた上で、先月末からスタジアムでの観戦を許可しました。

2日に首都キーウで行われた、地元の強豪クラブ「ディナモ・キーウ」と南部オデーサのクラブの試合では1800枚の入場券が完売し、観戦を待ちわびた家族連れや戦場から戻った兵士などが詰めかけました。

会場では、両チームの選手全員がウクライナ国旗を身にまとって入場し、戦闘の犠牲者に黙とうがささげられたあと試合が始まり、観客はメインスタンドから繰り返し大きな声援を送っていました。

試合は地元ファンの後押しを受けた「ディナモ・キーウ」が1対0で競り勝ち、訪れた人たちは拍手で選手をたたえ、久しぶりの会場での観戦を満喫した様子でした。

ロシア外相 ドイツの協議内容漏えいにコメント

ウクライナへの軍事支援をめぐるドイツ軍の幹部も参加した協議の内容がロシア側に漏えいしたことについて、ロシアのラブロフ外相は2日、滞在先のトルコで「ドイツのショルツ首相とドイツ軍の対立について、また、彼らが、クリミア橋や軍の施設への攻撃をどのように準備しているのかという狡猾(こうかつ)な計画が明らかになった」と述べました。

そのうえでラブロフ外相は「みずから暴露したものだ」として、漏えいにロシアが関与したかについては言及しませんでした。

ドイツ ウクライナ支援の協議内容がロシア側に漏えい 調査開始

ロシアの国営テレビ、RTの編集長は、1日、ウクライナへの軍事支援に関するドイツ軍の協議の内容だとする30分以上の音声をSNSに投稿しました。

投稿された音声は、ドイツ空軍トップのゲルハルツ総監らが参加した協議で、ウクライナが供与を求めている長距離巡航ミサイルを巡って、ドイツ軍の関与抜きにウクライナ側が運用できるかどうかなどが話し合われたとされています。

この音声を巡って、ドイツ国防省の報道官は、2日複数のメディアに対し発言の詳細が事実かどうかは言及を避けながらも協議自体は行われたと認め、盗聴された可能性があると明らかにしました。

メディアは協議は先月オンライン形式で行われたと伝えていますが、誰がどのように盗聴し、ロシア側がどう関与したのかなどの詳細はまだわかっていません。

今回の問題を受けてショルツ首相は、2日、訪問先のバチカンで報道陣に「非常に深刻な事態だ」と述べ、調査を始めたことを明らかにしました。

ウクライナ オデーサをロシアが攻撃 少なくとも7人が死亡

ウクライナ軍などによりますと、1日から2日にかけて、東部や南部の都市などへ、ロシア側からミサイルや無人機による攻撃があり、このうち、南部のオデーサでは集合住宅が被害を受けました。

オデーサでは、壊れた建物からの救出活動が続けられ、ウクライナの非常事態庁などによりますと、これまでに生後4か月の乳児や3歳の子どもを含む少なくとも7人が死亡し、8人がけがをしたということです。

ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、ビデオメッセージを発表し「人々を脅すためのテロだ」とロシアを強く非難したうえで「防空システムなどの兵器供与の遅れが人命の損失につながっている」と述べ、欧米などに対し防空システムなどさらなる軍事支援を急ぐよう訴えました。