石川 輪島 妻と娘亡くした男性「地震から2か月 何も変わらず」

能登半島地震で7階建てのビルが倒壊して自宅が巻き込まれ、妻と19歳の娘を亡くした石川県輪島市の男性が2日、自宅を訪れ「ここに来ると気持ちは1月1日のままで、地震から2か月というけれど気持ちも何も変わらない。朝起きると妻と娘がいるんじゃないかという気がして、時間だけが過ぎていく」と話しました。

輪島市河井町の楠健二さん(55)は、1月1日、居酒屋を兼ねた3階建ての自宅で家族5人で過ごしていたところ、隣の7階建てのビルの倒壊に巻き込まれ、妻の由香利さん(48)と長女の珠蘭さん(19)を亡くしました。

地震のあと楠さんは県外に避難しながら輪島市に戻って2人の思い出の品を探すといった生活を続けていて、2日も自宅を訪れました。

楠さんの左手には去年の誕生日にサプライズで由香利さんからプレゼントされ、先月、自宅から見つけ出した腕時計があり、「もともとあったはずのものだけど見つかった時は本当にうれしかった」と振り返りました。

楠さんは地震から2か月がたった現在の心境について、「きのうは次女の卒業式があり、少し気分転換ができるかなと思ったけど、ここに来るとダメで、気持ちは1月1日のままで、地震から2か月というけれど気持ちも何も変わらない。朝起きると妻と娘がいるんじゃないかという気がして、時間だけが過ぎていく。残された子どももいるし、仕事もしないといけないけど、頑張れないし、どうしていいか全然分からない」と話していました。