長野 風吹岳 雪崩に巻き込まれた10人全員の無事確認

長野県小谷村にある北アルプスの「風吹岳」で2日昼前、雪崩が発生しバックカントリースキーをするために山を登っていた10人が巻き込まれました。このうち2人が救助されていずれもけがはないとみられ、残る8人も自力で下山し、全員の無事が確認されました。

2日午前11時半ごろ長野県小谷村にある北アルプスの「風吹岳」の標高1400メートル付近で、「雪崩が発生して複数人が巻き込まれた」と警察に通報がありました。

警察によりますと雪崩に巻き込まれたのは2つのパーティーの10人で、このうち大阪市の男性と富山県の男性の2人は午後1時半ごろ、ヘリコプターで救助され松本市内の病院に搬送されました。

2人ともけがはないと見られています。

残る8人は自力で脱出したということで、午後4時半ごろ下山しました。

下山した人たちによりますと、雪崩に巻き込まれたのは、山梨県や大阪府などから日帰りの予定で訪れた4人パーティーと6人パーティーの合わせて10人で、バックカントリースキーをするため、2日朝から一緒に山を登っていたところ雪崩に巻き込まれたということです。

警察が当時の詳しい状況を調べています。

雪崩に巻き込まれた人の話

雪崩に巻き込まれた10人のうち自力で下山した8人は、午後4時半ごろに長野県小谷村の駐車場に到着しました。

下山した人たちによりますと、雪崩に巻き込まれたのは山梨県や大阪府などから訪れた4人パーティーと6人パーティーの合わせて10人で、いずれもバックカントリースキーをするため、日帰りの予定で2日朝、入山したということです。

目的地は、4人パーティーが風吹岳で、6人パーティーが横前倉山でしたが、一緒に山を登っていたところ雪崩が起きて、9人が雪の下に埋まったということです。

1人だけ動くことができた山梨県の55歳の男性が救助にあたり、全員が順次、助け出されたということです。

雪の中から助け出された岐阜県の55歳の男性は「音もなく雪が流れてきていきなり大波みたいなものに流されたようになって何が起きたかわからなかった。手だけ雪の上に出ていたので助け出され、その後、ビーコンを使ってほかの人の救出にあたった。雪崩は意識していたが気づけなかった」と話していました。

また、大阪府の34歳の女性は「気が付いたら目の前まで雪が来ていて動けなくなり仲間に助け出された。雪が積もっていたので気を付けてはいたがまさかという思いだ」と話していました。

バックカントリースキー愛好家の間で人気

風吹岳は北アルプスの白馬連峰の北部にある標高1888メートルの山です。

長野県の民間山岳救助団体によりますと整備されていない雪山を滑る「バックカントリースキー」の愛好家の間では新雪が降り積もった静かな斜面を楽しめることで知られていて、ガイドツアーも行われているということです。

風吹岳周辺は1日夜から雪強まる

気象庁によりますと、風吹岳のある長野と新潟の県境付近では、冬型の気圧配置の影響で1日夜から2日朝にかけて雪が強まっていたということです。

気象庁の解析によりますと、風吹岳の周辺では2日正午までの12時間に降った雪の量は10センチ前後で、山頂の積雪は2メートル以上にのぼるとみられるということです。

長野県北部では2日午前10時半ごろまで大雪注意報が発表されていたほか、1日からは、なだれ注意報も発表されています。