ナワリヌイ氏葬儀 多くの支持者集まる 少なくとも50人以上拘束

ロシアのプーチン政権への批判を続け、刑務所で死亡した反体制派の指導者、ナワリヌイ氏の葬儀が1日首都モスクワで営まれ、多くの支持者らが集まり、別れを告げました。当局が厳戒態勢を敷くなか、「プーチンのいないロシアを」などと叫ぶ人もいて、人権団体によりますと、ロシア各地で少なくとも50人以上が拘束されたということです。

プーチン政権の批判を続けたロシアの反体制派の指導者、ナワリヌイ氏は、2月16日、ロシアの北極圏にある刑務所で死亡したと発表されました。

葬儀は1日、モスクワ南部の教会で営まれ、ナワリヌイ氏の両親や親族などが参列したほか、教会の周辺には、治安当局が厳戒態勢を敷くなか、数千人を超える支持者らが集まったということです。

支持者らは遺体を運んだ車に花を投げ、「ナワリヌイ、ナワリヌイ」と名前を連呼したり、「私たちは諦めない」と叫んだりするなど、ナワリヌイ氏をたたえ、別れを告げていました。

葬儀の後、遺体は近くの墓地に運ばれ、フランク・シナトラさんの「マイ・ウェイ」や、ナワリヌイ氏が好きだったという映画「ターミネーター2」のテーマソングが流されるなかで埋葬されました。

追悼に訪れた若い女性は「私たちとって希望でした。勇気のある人で、諦めないで戦うことを教えてくれました」とナワリヌイ氏をたたえていました。

ナワリヌイ氏の死亡を巡っては、プーチン政権が関与したのではないかとも指摘され、集まった人の中には「プーチンは人殺しだ」とか「プーチンのいないロシアを」などと、叫ぶ人もいました。

これまでのところ大きな混乱にはなっていませんが、人権団体によりますと、モスクワや地方都市などロシア各地で少なくとも50人以上が当局に拘束されたということです。

プーチン政権は葬儀をきっかけに反政権の動きが広がらないか、警戒を強めているとみられます。

妻ユリアさん SNSに感謝と決意のメッセージ

ナワリヌイ氏の妻ユリアさんは1日、SNSにナワリヌイ氏との思い出をまとめた動画とともにメッセージを公開しました。

このなかで、「26年間の絶対的な幸せをありがとう。あなたなしでどうやって生きていけばいいのかわからないけれど、あなたが喜んでくれて私を誇りに思ってくれるように頑張るつもり」と述べ、感謝の思いとともに、ナワリヌイ氏にかわってプーチン政権を批判する運動を続けていく決意を改めて示しました。