EU UNRWAへの資金拠出継続へ 赤十字通じた支援など多様化も

EU=ヨーロッパ連合はガザ地区の支援を担っているUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関への資金拠出について、来週、一部の支払い手続きを行う方針を明らかにしました。一方で、赤十字などほかの国際機関を通じた支援も新たに発表し、支援を多様化するものだと説明しています。

EUはUNRWAの一部の職員がハマスによるイスラエルへの攻撃に関与した疑いを受けて、今月以降の資金拠出について明確にしていませんでした。

しかし、ガザ地区の人道危機が深まるなか、1日、ことしの拠出額8200万ユーロ、日本円にして130億円余りの一部、80億円余りについて、来週、支払い手続きを行うと発表しました。

EUはこの決定について、UNRWAとの間で内部調査を行う部署や管理の強化で合意したことなどを踏まえたものだとしていて、残りの拠出金は合意の履行状況に応じて支払うとしています。

一方で、EUはUNRWAとは別に、新たに110億円余りを赤十字や赤新月社などを通じてパレスチナの人々への支援にあてると発表しました。

これについて、EUで近隣国に対する政策などを担当するバールヘイ委員はSNSへの投稿で、「パレスチナの人々への支援を多様化するものだ」と説明しています。

また、EUのミシェル大統領は支援物資を待っていた100人以上がイスラエル軍の攻撃で死亡したとするガザ地区の保健当局の発表について、SNSへの投稿で1日、「罪のない市民が殺されたことにショックを受け嫌悪感を抱いた」としたうえで、独立した調査を速やかに行い、責任を追及することが必要だという考えを示しました。