イラン 議会選挙の投票行われる 保守強硬派が勢力拡大の見通し

イランで1日、議会選挙の投票が行われました。現政権の外交や軍事政策を支持する保守強硬派が勢力を拡大する見通しで、反米路線が強まるものとみられます。

4年に1度のイランの議会選挙は290の議席をめぐって1日、投票が行われました。

今回の選挙では当局による事前の審査で、立候補を希望した人のうち、4分の1が失格となっていて、失格になった人の中には欧米との対話路線を重視する「改革派」の人も含まれていました。

そのため、有権者の中には投票に行かなかった人も多くいて、地元メディアは欧米と対立するライシ政権の外交や軍事政策を支持する保守強硬派が勢力を拡大させる見通しだと伝えています。

保守強硬派の中でもイランの軍事精鋭部隊と関係が深く、より先鋭的な政党「イスラム革命永続戦線」の幹部で、選挙に立候補したアッバーシ氏がNHKの取材に応じました。

アッバーシ氏はガザ地区の情勢をめぐって、イランはイスラム組織ハマスへの支援を継続すべきだとした上で、「イランがこの地域を混乱させ、不安定にしているという主張は間違っていて、アメリカが介入をやめれば、混乱は解消されるだろう」と述べ、イスラエルを支援するアメリカを非難しました。

一方、市民からは「欧米からの経済制裁で国民が弱っている」とか、「こんな苦しい生活をしないですむように、イランは多くの国と関係を築くべきだ」などと、欧米との対立が深まることを懸念する声もあがっています。

イランの議会選挙は数日以内に大勢が判明する見通しです。