【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(3月2日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる2日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ 無人機攻撃で死傷者も

ウクライナ空軍の発表によりますと、1日から2日にかけて、ウクライナ東部や南部へロシア側から3発のミサイルと17機の無人機による攻撃があったということです。

ウクライナ側はこのうち、無人機14機を撃墜したということですが、南部のオデーサ州では集合住宅などが被害を受け、ウクライナ非常事態庁によりますと、4人が死亡し、3歳の子どもを含む8人がけがをしたということです。

また、東部ハルキウ州でも3人が病院に運ばれ、手当てを受けているということです。

ウクライナのシルスキー総司令官は2日、東部の前線部隊の指揮官らから報告を受けたとSNSで明らかにし、「前線の状況は依然として厳しいものの、制御されている」と主張しました。

プーチン大統領 予備役を軍事訓練に参加させる大統領令に署名

ロシアのプーチン大統領は1日、予備役の国民を軍事訓練に参加させるための大統領令に署名しました。

これについて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は1日の分析で、「プーチン政権は予備役の国民の隠れた動員のために、軍事訓練を利用するだろう」と指摘し、軍事侵攻の継続を見据えた兵力増強の動きだとする見方を示しています。

ロシア国防省“核弾頭搭載できるICBM「ヤルス」発射演習実施”

ロシア国防省は1日、複数の核弾頭を搭載できるICBM=大陸間弾道ミサイル「ヤルス」の発射演習を行ったと発表しました。

ロシアのプーチン政権はウクライナへの軍事支援を続ける欧米側をにらみ、核戦力による威嚇を繰り返しています。

ロシア国防省は1日、ロシア北部にある宇宙基地で、複数の核弾頭を搭載できるICBM=大陸間弾道ミサイル「ヤルス」の発射演習を行ったと発表しました。

ロシア国防省は発射時の映像も公開し、複数の弾頭がロシア極東のカムチャツカ半島の目標に計画どおりに着弾したとしています。

「ヤルス」は射程が1万キロを超え、ロシア軍の核戦力の中枢を担うICBMで、ロシア側は実戦配備を進めていると主張していて、演習実施の発表を通じて、ウクライナへの軍事支援を続ける欧米側をけん制するねらいがあるとみられます。

プーチン大統領は2月29日に行った年次教書演説で、「ロシアの戦略核兵器の戦力は確実に使用できるよう準備が完了している」と強調するなど、プーチン政権は欧米側をにらみ、核戦力による威嚇を繰り返しています。

これについて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は29日の分析で、「欧米側に恐怖心を植えつけ、ウクライナへの支援を弱めさせようと頻繁に核の脅しを持ち出している。ロシアによる核兵器使用の可能性は非常に低い」と指摘しています。