新型コロナとインフルエンザ 医療機関当たり患者数 前週より減

新型コロナウイルスの全国の感染状況は、2月25日までの1週間では1つの医療機関当たりの平均の患者数が7.92人で、前の週の0.78倍となっています。厚生労働省は「すべての都道府県で患者数が減少していて、ピークは過ぎたと考えられるが、春休みには遠出をする機会も増えると思うので、引き続き対策を続けてほしい」としています。

また、インフルエンザは、2月25日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者数が1医療機関当たり16.76人で、2週連続で前の週よりも減りました。

新型コロナの患者数 3週連続で前の週から減少

厚生労働省によりますと、2月25日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から1万697人減って3万9124人となりました。

また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は7.92人で、前の週の0.78倍となりました。

前の週から減少が続くのは3週連続となります。

都道府県別では多い順に、
▽宮城県が12.03人、
▽茨城県が11.7人、
▽岩手県が11.57人、
▽新潟県が11.27人、
▽山形県が11.16人などとなっていて、すべての都道府県で前の週より減少しました。

2月25日までの1週間に全国およそ500の医療機関から報告された、新たに入院した患者の数は2770人で、前の週と比べて411人の減少でした。

厚生労働省は全国の流行状況について「すべての都道府県で患者数が減少していて、ピークは過ぎたと考えられるが、春休みには遠出をする機会も増えると思うので、引き続き対策を続けてほしい」としています。

新型コロナ 1医療機関当たりの平均患者数(都道府県別)

▽宮城県は12.03人
▽茨城県は11.7人
▽岩手県は11.57人
▽新潟県は11.27人
▽山形県は11.16人
▽石川県は11.08人
▽岐阜県は10.89人
▽愛知県は10.79人
▽栃木県は10.39人
▽福島県は10.29人
▽静岡県は10.09人
▽長野県は10.08人
▽佐賀県は10人
▽青森県は9.44人
▽鳥取県は9.41人
▽秋田県は9.29人
▽山梨県は9.2人
▽千葉県は8.81人
▽群馬県は8.8人
▽徳島県は8.65人
▽岡山県は8.52人
▽北海道は8.38人
▽三重県は8.35人
▽埼玉県は8.34人
▽愛媛県は8.2人
▽宮崎県は8.05人
▽奈良県は7.8人
▽熊本県は7.76人
▽高知県は7.75人
▽大分県は7.74人
▽広島県は7.51人
▽島根県は7.42人
▽長崎県は7.26人
▽富山県は7.21人
▽香川県は7.15人
▽滋賀県は7.08人
▽和歌山県は7.04人
▽山口県は6.88人
▽鹿児島県は6.8人
▽福岡県は6.72人
▽福井県は6.67人
▽京都府は6.62人
▽神奈川県は6.1人
▽沖縄県は5.98人
▽東京都は5.3人
▽兵庫県は5.17人
▽大阪府は5.02人

インフルエンザ 1医療機関当たりの患者数 2週連続の減少

国立感染症研究所などによりますと、2月25日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、前の週より1万9091人少ない8万2741人だったということです。

1医療機関当たりでは、全国で16.76人と前の週よりも3.88人減り、2週連続の減少となりました。

都道府県ごとでは、1医療機関当たりの患者数は、▽石川県が24.94人、▽埼玉県が24.35人、▽北海道が24.22人、▽福岡県が24.13人、▽熊本県が21.39人などとなっています。

こうしたデータをもとに推計されるこの1週間の全国の患者数はおよそ50万4000人で、去年9月4日以降の累積の患者数はおよそ1547万5000人と推計されています。

また、直近5週間に検出されたウイルスを分析すると、「B型」のインフルエンザが55%で、最も多くなっているということです。

石川県 インフルエンザの患者が多い状況続く

能登半島地震で大きな被害が出た石川県では、インフルエンザの患者が多い状況が続いています。

石川県で2月25日までの1週間に、調査の対象となっている医療機関から報告されたインフルエンザの患者数は、1医療機関当たり24.94人で、前の週からほぼ横ばいとなっています。

インフルエンザは全国的には減少傾向で、石川県は1医療機関当たりの患者数としては全国で最も多くなっています。

保健所の管轄する地域ごとでは
▽金沢市が36.76人
▽南加賀が23.40人
▽石川中央が21.91人
▽七尾市などを含む能登中部が15.17人
▽輪島市などを含む能登北部が1.50人でした。
前の週と比べて金沢市はほぼ横ばいで、能登中部では4人増えています。

また、新型コロナウイルスの患者数は県全体で11.08人で、前の週から4.4人減りました。

保健所の管轄する地域ごとでは、
▽能登中部が27.67人
▽金沢市が10.76人
▽石川中央が8.64人
▽南加賀が7.10人
▽能登北部が4.25人でした。
能登中部では前の週と比べて12.83人減りましたが、引き続き多くの患者が報告されています。

専門家 “コロナもインフルもまだ流行続く しばらく注意を”

日本感染症学会のインフルエンザ委員会で委員長を務める、倉敷中央病院の石田直副院長は、「年明け以降、B型のインフルエンザウイルスが子どもたちの間で広がったことで、2回目のピークとなった。コロナ禍の3年間でB型のウイルスに対する免疫を持たない子どもが多くなっていたためだと考えられる。今後は徐々に減っていくとみられるが、一気に流行が終わるのではなく、しばらく患者が多い状況が続く可能性もあるので、注意する必要がある」と話していました。

また、石田副院長は「新型コロナもインフルエンザも減少傾向が続いているが、いずれもまだ流行は続いている。基本的な感染対策を続けてほしい。新型コロナは高齢者の入院が多くなっていて、前回のワクチンの接種から時間がたち、免疫が落ちていることが背景にあると考えられる。重症化リスクが高い高齢者や基礎疾患がある人は、ワクチンの接種を進めてほしい」と話していました。

能登半島地震で大きな被害が出た石川県でインフルエンザの患者数が多くなっていることについては、「水道がなかなか復旧せず、十分な手洗いなど基本的な感染対策が難しくなっていることの影響が出ている可能性がある。アルコール消毒の活用やせきなどの症状がある場合はマスクの着用を徹底するなど予防に努めてほしい」と話していました。