岐阜 高山の高校で卒業生が伝統の「白線流し」

岐阜県内では1日、多くの公立高校で卒業式が行われました。このうち高山市の県立斐太高校では、伝統の「白線流し」が5年ぶりに、すべての在校生や近所の人たちも見守る中で行われました。

「白線流し」は、卒業生が制帽のまわりに縫い付けられていた白線を川に流していたことにちなんだ行事で、斐太高校が旧制中学の時代から80年以上、続いています。

卒業生232人は、式のあと正門近くでいったん整列し、学校の前を流れる大八賀川に向かいました。

そして、雪の残る川岸で、男子生徒は白線を、女子生徒はセーラー服の白いスカーフをお互いの絆を確かめ合うように固く結びあったあと、反対側の川岸にいる教職員や在校生に大声で「ありがとう」などと呼びかけてから、ゆっくり川に流していきました。

高校によりますと、新型コロナウイルスの影響で、例年どおり白線流しが行われるのは5年ぶりで、すべての在校生のほか、近所の人たちも、学びやとの別れを惜しむ卒業生を見送りました。

卒業生の一人は「この伝統ある行事を経験できたことは、これからの人生でずっと思い出に残っていくと思いました」と話していました。