米 NYCB 最終赤字が当初の10倍以上に拡大 新CEO発表も株価急落

経営に懸念が出ているアメリカの銀行持ち株会社、ニューヨーク・コミュニティー・バンコープは、去年12月までの3か月間の最終的な損益が当初の10倍以上の赤字に膨らむと明らかにしました。新たなCEOの就任を発表したものの、会社の株価は急落し、経営への不安が高まる事態となっています。

ニューヨーク・コミュニティー・バンコープは、去年3月の金融不安で経営破綻したアメリカの銀行の預金と資産の一部を買収したフラッグスターバンクを傘下におく銀行持ち株会社です。

会社は29日、1月に発表した去年12月までの3か月間の決算を見直し、新たに24億ドル余りの損失を計上したと発表しました。

最終的な損益は当初、商業用不動産向けの融資の貸し倒れに備える費用などが増え2億ドル余りの赤字でしたが、損失の計上で10倍以上の27億ドル余り、日本円でおよそ4000億円の赤字に膨らんだとしています。

損失について、会社は金融当局に提出した資料の中で過去の取り引きの内容を評価し直した際に発生したとしていて、自己資本比率などへの影響はないと説明しています。

また、ローン審査に関する内部統制の「重大な弱さ」を特定したと明らかにし、経営トップのCEOが退任して新たに会長がCEOに就任することも発表しました。

ニューヨーク株式市場の29日の夜間の取り引きでは、一連の発表を受けて会社の株価が急落し、経営への不安が高まる事態となっています。