米 バイデン大統領とトランプ前大統領 メキシコとの国境視察

アメリカで法的な手続きを経ずにメキシコとの国境を越えて入国を試みる人が急増する中、秋の大統領選挙を見据えてバイデン大統領とトランプ前大統領がそれぞれ、南部テキサス州の国境沿いを視察しました。

アメリカでは、法的な手続きを経ずにメキシコとの国境を越え入国を試みて拘束される人が3年連続で過去最多を更新していて、バイデン大統領は29日、南部テキサス州の国境沿いを訪れ現地の状況を視察しました。

このあと、バイデン大統領は演説で、議会上院で野党・共和党の反対で暗礁に乗り上げている、国境管理を強化するための法案について「私たちは前に進む時だ。反対している議員たちは政治を脇に置き、国民のために可決する必要がある」と述べました。

そして、法案への反対を呼びかけているトランプ前大統領に対し「法案を阻止するよう議員に言うよりも協力すべきだ」と訴えました。

一方、トランプ氏も同じ時間帯にテキサス州の別の国境沿いを視察し、自身が大統領だった当時は厳しい移民政策によって問題はなかったとしたうえで「3年前、われわれは史上最も安全な国境を手に入れた。これはバイデン大統領がもたらした侵略だ」と批判しました。

国境管理が争点の一つとなる秋の大統領選挙を見据えて、バイデン大統領とトランプ氏がみずからの主張をアピールし合う形となりました。