立民 小野寺予算委員長の解任決議案を提出 与党側は否決へ

新年度予算案をめぐって立憲民主党は、審議が不十分にもかかわらず、1日に衆議院予算委員会で採決する日程を決めたのは容認できないなどとして、自民党の小野寺予算委員長の解任決議案を提出しました。与党側はこのあと解任決議案を否決したうえで、予算案の年度内成立を確実にするため衆議院を通過させる構えで、与野党の攻防が激しさを増しています。

新年度予算案をめぐっては、2月29日の衆議院予算委員会の理事会で、自民党の小野寺委員長が3月1日、委員会で集中審議と締めくくりの質疑を行ったあと、採決することを職権で決めました。

これを受けて立憲民主党は1日朝、幹部が対応を協議した結果、審議が不十分にもかかわらず、1日採決する日程を強引に決めたのは容認できないなどとして、小野寺委員長の解任決議案を衆議院に提出しました。

立憲民主党の泉代表は「まだまだ国会で明らかにしなければならない中身があり、 審議時間が十分ではないのに自民党側は乱暴な手段に出てきた」と批判しました。

一方、林官房長官は「能登半島地震の復旧・復興に向けて、切れ目のない対応に万全を期すための予算などを速やかに実施していくことが必要だ」と強調しました。

与党側は、このあと開かれる本会議で解任決議案を否決する方針です。

そのうえで、予算案には能登半島地震に対応する予備費などが盛り込まれていることから年度内の成立を確実にするため衆議院を通過させる構えで、与野党の攻防が激しさを増しています。

立民 泉代表「意思表示しなければならない」

立憲民主党の泉代表は記者会見で「例年に比べ、十分な質疑時間がとられたとは言えない。正常な形で予算委員会の質疑に入ってほしいのが一番だが、与党側がとにかく打ち切って、ただ前に進めるということであれば『それは違う』という意思表示はしなければならない。財務大臣や、財務金融委員長、総務委員長などは、予算案の審議に密接に関連している立場なので政府として予算案の充実審議に誠実に向き合ってもらいたい」と述べました。

立民 安住国対委員長「ささやかで息の長い抵抗を」

立憲民主党の安住国会対策委員長は党の代議士会で「きょうの時点で、新年度予算案の審議時間は採決の目安となる80時間まで11時間足りない。政治倫理審査会の開催をずるずる遅らせてきたのは与党側のせいであり、私たちは懇切丁寧に対応してきたつもりだ。私はささやかで息の長い抵抗をしていく。こちらに、あんぱんも水も用意しているので、それぞれ健康に留意しながら私の指示に従って欲しい。この土日は申し訳ないが、日程をキャンセルして欲しい」と呼びかけました。

維新 馬場代表「先祖がえりした国会」

日本維新の会の馬場代表は、党の代議士会で「とにかく日程闘争をやるという先祖がえりした国会が行われることになったが、このような形で時間を浪費するのはよくない。原因は与党にもある。自民党は衆議院のメンツを保つために、自然成立が確保できる状態で予算案を参議院に送りたいし、立憲民主党は、いかにも体を張っているかのような攻防を見せるのがメンツになっている。わが党は国民が納得できる政治を目指してやっていく」と述べました。

野党4党の参院国対委員長が会談

立憲民主党が衆議院予算委員会の小野寺委員長の解任決議案を提出したことを受けて、立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党の野党4党の参議院国会対策委員長が会談しました。

この中では、与党側による強引な国会運営は許されないという認識で一致し、参議院での予算審議でも4党で連携していくことを確認しました。

立憲民主党の斎藤・参議院国会対策委員長は、記者団に対し「予算案は、十分に審議した上で週明けに正々堂々と参議院に送付すればよく、あさってまでの送付は看過できない。参議院の野党が一致結束して戦闘モードにならざるをえない」と述べました。