日大アメフト部 来年度の新たな部の立ち上げを見送り

一連の薬物事件で廃部となった日本大学のアメリカンフットボール部について、大学は来年度の新たな部の立ち上げを見送り、2025年度以降を目指すことを決め、元部員や保護者の代表に伝えました。

日本大学はアメリカンフットボール部の一連の薬物事件を受けて1月に正式に廃部とし、先月15日には関東学生連盟から退会となって、今後、元部員や新入生の受け皿となる新たな部を立ち上げる方向で検討を進めていました。

来年度の連盟への新規加盟の申請期限は29日までとなっていましたが、大学は
▽事件の捜査の終了が見通せないことや
▽関係各方面との調整が必要なことなどから申請を断念し、来年度の新たな部の立ち上げを見送ったことを明らかにしました。

その上で2025年度以降の部の立ち上げを目指すとしています。

一方、事件に関与していない新2年生と新入生については新たに設置する「競技スポーツセンター」の所属とし、グラウンドやトレーニング場などの練習環境を整え、メンタルケアも行っていくとしています。

活動にあたっては安全面などを考慮し、監督代行者を置くということです。

また、新4年生と新3年生については事件の捜査に絡む学年であることから慎重な判断が必要だとして捜査状況を見極めるなどとしています。

大学は、29日に元部員や保護者の代表にこうした対応を伝え、関係者によりますと新たな部の立ち上げについて「本学が社会の信頼を取り戻すとともに、元部員も大学内外からの信頼を取り戻して社会に受け入れられるための静かな環境が整わなければ実現できない」などと説明したということです。

一連の事件をめぐっては、先月新たに元部員と卒業生の合わせて6人が麻薬特例法違反の疑いで書類送検され、これまでに立件されたのは10人となっています。

日本大学はNHKの取材に対し「新入生や事件に関与していない元部員が受ける不利益を最小限にするために支援していく」としています。