地震予知連「より具体的に情報発信を」能登半島地震ふまえ議論

能登半島地震から2か月となるのを前に2月29日、研究者で作る地震予知連絡会の会合が開かれ、地震の予測が難しい中でどのような情報を伝えるべきか意見が交わされました。

都内で開かれた地震予知連絡会では、能登半島地震に関して大学や国が行った研究成果などが報告されました。

このうち、海上保安庁は能登半島のおよそ30キロ東側の海底を調査した結果、長さおよそ1600メートル、幅およそ1100メートル、深さが最大でおよそ50メートルにわたって崩れていたことを報告しました。

こうした海底地滑りは富山湾でも見つかっていて、ほかの領域でも起きている可能性があるとしています。

また、会合では、4年前から能登地方の地震活動が活発だったことをふまえて、群発的に活動が続く地震についてどのような情報を伝えるべきか意見が交わされ、規模の大きな地震を予測するのは困難なものの、発生の可能性など専門家が国などとは別に、より具体的に見解を示す必要があるといった意見が出ていました。

地震予知連絡会の会長を務める名古屋大学大学院の山岡耕春教授は、「今回のように確率は低いものの、規模の大きな地震が実際に起こり得ることをより具体的に伝え、不安をかきたてるのではなく、どう行動すればよいか判断できるような情報発信を目指したい」と話していました。