「もしトランプ氏が返り咲きなら」元高官に聞く外交政策

アメリカのトランプ政権の元高官がNHKのインタビューに応じ、ことし秋の大統領選挙でトランプ前大統領が返り咲いた場合の外交政策について、「大統領を務めた4年間の政策を継続するだろう」と述べ、日米同盟などを重視する姿勢を続けるとの考えを示しました。

トランプ政権で大統領次席補佐官を務めたアレクサンダー・グレイ氏は都内でNHKのインタビューに応じました。

グレイ氏はトランプ前大統領がことし秋の大統領選挙で返り咲くことを期待しているとした上で、その場合の外交政策について「次の4年間で何をするのか道筋を知るには、ホワイトハウスでの4年間にトランプ氏が行った具体的な政策を見る必要がある」と述べました。

その上で「トランプ氏は一貫して日本、韓国、そして世界の同盟国との協力関係のもとあらゆる手段を使って課題に対処できるよう政府を動かしてきた。こうした1期目の政策を継続するだろう」と述べ、中国がインド太平洋地域で影響力を強めていることを念頭に、日米同盟や台湾との関係などを重視する姿勢を続けるとの考えを示しました。

また、トランプ氏が十分な防衛費を負担しないNATO=北大西洋条約機構の加盟国は防衛しないと発言したことをめぐっては「トランプ氏がNATO諸国に対して防衛支出の拡大を求める厳しい交渉をしていなければいまのように大幅に改善していなかったし、ウクライナもNATOもロシアに対し効果的に対処することはできなかっただろう」と述べて、トランプ氏の実績を強調し、厳しい交渉の姿勢は維持しつつも、NATOとの関係は強化していくだろうという見方を示しました。

さらに、トランプ氏が消極的な姿勢を示しているウクライナへの軍事支援についてはグレイ氏は「個人の考えとしては、ウクライナが最終的にロシアとの交渉を成功させるための唯一の方法はウクライナが戦場で勝利するための武器と能力を備え強い立場で交渉に臨むことができるようになることだ。軍事支援を継続することは、アメリカの戦略的利益だけではなく経済的利益にもかなう」と述べ、軍事支援を継続し、むしろ強化するべきだとの考えを示しました。