「AIと著作権に関する考え方」の案が示される 文化庁

生成AIの開発や利用に伴って懸念されている著作権侵害に関連して、文化庁は文化審議会の小委員会で、AIによる学習段階でも著作権侵害にあたる可能性がある行為などを示した考え方を取りまとめました。

文化庁は、生成AIを利用したどのような行為が著作権の侵害に当たるのか考え方を整理するため、有識者で作る文化審議会の小委員会で議論を行い、1月から2月にかけて集めたパブリックコメントでは、およそ2万5000件の意見などが寄せられました。

これらを踏まえ、29日、東京都内で開かれた小委員会で「AIと著作権に関する考え方」の案が示されました。

この中では、AIが著作物を無断で学習することを原則として認めている著作権法30条の4に関して
▽特定のクリエーターの作品を意図的に、集中的に学習させる行為や
▽検索を制限する措置を講じたWEBサイトのデータを学習に使用した場合などは、著作権の侵害に当たる可能性があり、開発や利用の際には参考にしてほしいとしています。

また、出席した委員からは考え方の検討を継続し、権利の保護とAIの活用のバランスを図っていくことが重要だとする意見が相次いで出されました。

文化庁は、取りまとめた考え方を3月に開催する著作権分科会に報告したうえで、広く周知を図っていくことにしています。