センバツ出場 健大高崎 チアリーダー盗撮対策で半ズボン着用へ

スポーツ界での盗撮被害が問題となる中、3月、甲子園球場で行われるセンバツ高校野球に2年連続で出場する群馬の高崎健康福祉大高崎高校は去年までの大会のアルプス席でチアリーダーが盗撮される被害が続いたとして、今大会はスカートではなく半ズボンを着用することを決めました。

スポーツ界ではアスリートが競技会場などで盗撮される被害や写真や動画がSNSなどで拡散されるといった迷惑行為が相次いでいて、大きな問題となっています。

3月18日に甲子園球場で開幕するセンバツ高校野球に2年連続7回目の出場となる健大高崎高校は、去年までに出場した大会のアルプス席で、チアリーダーが盗撮の被害を受けるケースが後を絶ちませんでした。

具体的には記者を装ったり、隠し持ったスマートフォンを使ったりする撮影が確認され、そのたびに教員が注意したものの対応が追いつかなかったということです。

このため今大会はスカートの着用をやめて、選手のユニフォームと同じデザインの半ズボンを着用することを決めました。

部活動の応援の責任者を務める塩澤光平教諭は「従来のユニフォームで応援したいという生徒もいる中で、安全面を考えての苦渋の決断だった。盗撮は生徒の一生の心の傷になりうるので絶対にやめてもらいたい」と話していました。

アスリートの盗撮対策は

去年7月に施行された「撮影罪」でひそかに性的部位を撮影するなどの行為は刑事罰の対象となり、スポーツ界でも競技会場でのアスリートの盗撮被害対策として来場者への呼びかけなどが行われてきました。

このうち、去年9月に埼玉県熊谷市で開かれた大学生の陸上の全国大会では、埼玉県警察本部が日本学生陸上競技連合とともに
▽盗撮が疑われる場面を見かけた際の主催者へ通報や
▽撮影許可証の提示への協力などを呼びかけるチラシを来場者に配りました。

これに先駆けて2020年には、JOC=日本オリンピック委員会や日本スポーツ協会など7つの団体が被害の撲滅に向けた共同声明を発表し、JOCのホームページに通報の窓口を設置して警察に情報提供するといった対策が進んできました。

一方、高校野球が行われる甲子園球場のアルプス席でも、近年、今回の健大高崎の対応と同様にチアリーダーがスカートではなく、半ズボンを着用する高校も出始めていて「自衛策」とも言えるこうした対応とともに、今後は応援席での抜本的な対策を求める声が上がってくることも予想されます。