石川 珠洲 被災した漁港の復旧へ 海底隆起の状況を調査

能登半島地震で被災した石川県珠洲市の漁港で、復旧工事に向けて海底の隆起の状況を確認する調査が行われています。

石川県の能登地方では地震で海底が隆起して水深が浅くなった影響で、船の出入りが難しくなっている漁港があり、復旧のための工事が必要になっています。

このうち、珠洲市にある狼煙漁港は管理する県に代わって国が工事を担うことになり、28日から水産庁が状況を確認する調査を行っています。

今回の調査は空中のドローンから真下に向かってレーザー光線をあて、水面での反射と海底での反射の時間差から水深を測ります。

このうち、岸壁付近では地震前は4.5メートルだった水深が3メートルほどになり、浅くなっていました。

また、防波堤の近くには小型の船でも底がぶつかるおそれがあるほど水深が浅くなっている場所があることも分かりました。

狼煙漁港は海が荒れた際などの避難港に指定されているため、500トン級の大型の漁船も利用できるよう水深が確保されていました。

水産庁は調査を踏まえ、まずは水深が浅くなっている場所の掘削やしゅんせつを行いたいとしています。

水産庁の担当者は「狼煙漁港の復旧を通じて知見を蓄積し、ほかの漁港の復旧に生かしたい。水深が浅くなっている状況の解消が第一で、段階的にでも漁業者が使えるようにしたい」と話していました。