“満開のサクラで勇気を” 名所の公園で枝切り作業 石川 輪島

サクラの名所として知られる石川県輪島市の公園では、能登半島地震で被災した造園業の人たちが、ことしも満開のサクラを咲かせて被災した人たちを少しでも勇気づけようと、余分な枝を切り落とす作業を進めています。

作業にあたっているのは輪島市で造園業を営む酒谷剛彦さんです。

29日は、輪島市のサクラの名所として知られ、およそ900本のサクラが植えられている輪島市河井町の一本松公園で、はしごや専用のはさみを使って余分な枝を切り落としたり、木が衰えるのを防ぐ薬剤を塗ったりしていました。

酒谷さんは地震に伴う土砂崩れの影響で、自宅がある地区が2週間ほど孤立したほか、近くに住む両親の自宅が倒壊したことなどから、作業を始めるのが例年より遅れましたが、ことしも満開の花を咲かせて被災した人たちを少しでも勇気づけようと作業にあたっています。

酒谷さんは「輪島の街は壊滅的な被害を受けて落ち込みましたが、ここに来ると震災後も変わらないサクラの木があって自分はとても前向きな気持ちになりました。春に満開のサクラが咲き、2次避難した人も避難所にいる人も、ひとりでも多くの人が一本松公園のサクラを見て明るい気持ちになり、復興の後押しにつながってほしいです」と話していました。