石川県 北陸応援割 3月16日開始 新潟 富山 福井と足並みそろえ

石川県は、能登半島地震の影響を受けた観光業を支援する「北陸応援割」の開始時期について、ほかの3県と足並みをそろえ、北陸新幹線の金沢・敦賀間が開業する来月16日とすることを決めました。

「北陸応援割」をめぐり石川県は、県の南部にある宿泊施設に被災者が2次避難していることなどから、新潟、富山、福井の3県とは別に、独自に開始時期を検討していました。

これについて馳知事は、28日開かれた県の災害対策本部会議で「国とも相談して慎重に検討した」としたうえで、開始時期は北陸新幹線の金沢・敦賀間が開業する来月16日とすることを明らかにしました。

結果的に、ほかの3県と足並みをそろえた形で、馳知事は、観光客と被災者の受け入れは両立できるとしている宿泊施設の意向を踏まえたとしています。

一方で運用にあたっては、2次避難者への対応で遅れて開始する宿泊施設に配慮し、5月の大型連休後も含めて実施期間を施設が個別に決められるようにするほか、被災者の支援に協力した宿泊施設の経営を支える観点から受け入れの実績に応じた予算枠の追加配分を行うとしています。

今回の判断について馳知事は、記者団に対し「北陸全体で同じタイミングでスタートしたほうがよいと考えた。『北陸応援割』を活用して石川県を訪れてもらい、食べて、飲んで、買っていただきながら被災地に思いを寄せてほしい」と述べました。

加賀温泉郷協議会 和田会長「3県と同時に開始 うれしい」

石川県加賀市にある山代温泉、山中温泉、片山津温泉の旅館経営者などでつくる「加賀温泉郷協議会」の和田守弘会長は「北陸新幹線の延伸に向けて準備を進めてきたので、ほかの3県と同時に『北陸応援割』が開始されることになりとてもうれしい」と話していました。

3つの温泉地では、地震の影響で予約のキャンセルが相次ぎ、先月から今月にかけての全体の売り上げが例年の半分程度にとどまっているということです。

和田会長は「被災地では道路や水道の復旧が遅れ、仮設住宅も整っていないためそれぞれの宿泊施設では4月以降も被災された方々の2次避難の受け入れを継続していく。被災者の支援と観光振興の両立を図って地域を盛り上げることが能登の復興にもつながると思う」と話していました。