ロシア“アウディーイウカ周辺掌握” 防衛線再構築前に攻勢か

ロシアは、ウクライナ東部の拠点アウディーイウカに続き周辺の集落を相次いで掌握したと発表し、ウクライナ側が防衛線を再構築するのを前に、攻勢を強めるねらいとみられます。

ロシアのショイグ国防相は27日、国防省での会議で「この1週間でシェベルネなどを掌握した」と述べ、ウクライナ東部ドネツク州の拠点アウディーイウカに続いて周辺の集落を相次いで掌握したと発表しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、来月行われるロシアの大統領選挙を前にショイグ国防相が戦闘の成果を誇示したという見方を示しました。

そのうえでロシア軍は「アウディーイウカ占領によって得られた戦術的機会を利用している」と指摘し、ウクライナ側が防衛線を再構築するのを前に攻勢を強めるねらいだと分析しています。

一方、ウクライナ軍は最近、ロシア軍の軍用機の撃墜を相次いで発表していて、23日には、作戦指揮に重要なロシア軍のA50早期警戒管制機の撃墜を発表しました。

ウクライナ空軍のイグナト報道官は27日、「ロシアはA50をここ数日間、使用していない」と述べ、ロシア軍の作戦に影響が出ているという見方を示しました。

イギリス国防省は27日、A50は地対空ミサイルで撃墜された可能性が高く、これでロシア側は運用可能な9機のうち2機を2か月間で失ったと指摘しました。

そしてロシア軍は貴重な機体や乗員を失ったことでA50の作戦範囲を再検討せざるをえなくなり、ウクライナ側の攻撃が脅威になっていると分析しています。