死者3万人に迫るガザ “住民57万人余が飢餓の一歩手前”国連

イスラエル軍による攻撃が続くガザ地区では、これまでの死者が3万人に迫っています。国連は、住民の4分の1にあたる57万人余りが飢餓の一歩手前の状態に直面し、危機的な状況に陥っていると指摘し、すみやかな戦闘の休止の実現が必要だと訴えています。

ガザ地区への攻撃を続けるイスラエル軍は、28日も過去1日の間に南部ハンユニスなどで地上部隊や戦闘機による攻撃を行ったと発表しました。

ガザ地区の保健当局によりますと、28日までの死者は2万9954人にのぼり、3万人に迫っています。

こうした中、国連の各機関が27日の安全保障理事会でガザ地区の最新の人道状況について報告し、OCHA=国連人道問題調整事務所の幹部は200万人以上の人口の4分の1にあたる少なくとも57万6000人が飢餓の一歩手前の状態に直面しているとして、危機的な状況に陥っていると指摘しました。

そして「このまま何もしなければガザ地区に飢餓が広がるのは避けられないだろう」と述べ、人道状況を改善するためにすみやかな戦闘の休止の実現が必要だと訴えました。

ただ戦闘の休止や、人質の解放に向けカタールなどの仲介で行われているイスラエルとイスラム組織ハマスの交渉は、双方の意見に隔たりがあると伝えられていて、すみやかに合意がまとまるかは不透明な状況です。