JR東日本 燃料電池を使った鉄道車両 試験走行の様子を公開

JR東日本は、2030年度の実用化を目指して開発を進めている、燃料電池を使った鉄道車両の試験走行の様子を、28日、報道関係者に公開しました。

この鉄道車両は、JR東日本が自動車メーカーや電機メーカーと共同で開発したものです。

屋根の上に水素タンクを設置し、車両の下の部分にある燃料電池で空気中の酸素と反応させて発電する仕組みで、走行中は二酸化炭素を排出しません。

28日は、神奈川県内の鶴見線で報道関係者を乗せて、およそ7キロの区間、試験走行が行われました。

この車両は水素を一度満タンにするとおよそ140キロの距離を走行可能で、時速100キロまで出すことができ、走行中の車内の揺れや音は従来の鉄道車両とほとんど変わりがありません。

JR東日本はこれまでにおよそ4000キロの試験走行を重ねてきたということで、今後、水素タンクの容量を増やすなど車両の改良を行い、2030年度の実用化を目指したいとしています。

JR東日本研究開発センターの藤井威人ユニットリーダーは、「鉄道における化石燃料の利用を減らしていくことで、脱炭素社会の実現に向けて一翼を担っていきたい」と話していました。