国連 “ガザ地区住民の4分の1が飢餓一歩手前の状態に直面”

イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘休止をめぐる交渉が仲介国を交えて続くなか、イスラエル軍はガザ地区で空爆や地上作戦を展開しています。国連はガザ地区の住民の4分の1が飢餓の一歩手前の状態に直面していると危機感を示しています。

イスラエル軍は27日、ガザ地区での作戦で、ハマスの武器の製造施設や倉庫を見つけたと明らかにし、空爆や地上作戦の様子をうつした映像やハマスが使っていたとみられる武器などの写真をSNSに投稿しました。

ガザ地区の保健当局は27日、過去24時間で新たに96人が死亡したと発表しました。

国連によりますとガザ地区では激しい戦闘の影響で食料不足が続き、住民の4分の1が飢餓の一歩手前の状態に直面しているとして危機感を示しています。

こうした中、戦闘休止と人質解放をめぐる交渉はカタールなどが仲介して行われています。

この交渉について、アメリカのバイデン大統領は26日、交渉が近くまとまり、来月4日までに戦闘休止が実現することに期待を示しましたが、カタール外相の報道官は27日、「まだ合意は得られていない」と述べました。

アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズはバイデン大統領とイスラエルのネタニヤフ首相の政治スケジュールが正反対だと伝えました。

記事によりますとネタニヤフ首相は10月7日のハマスによる攻撃を防げなかった責任を問われる時期を先延ばしすることに関心を持つ一方、バイデン大統領は秋の大統領選挙を前にできるだけ早く戦闘を終わらせたい思惑があると分析しています。