福島第一原発の処理水 4回目の海への放出を開始 東京電力

福島第一原子力発電所にたまる処理水について、東京電力は28日午前、今年度最後となる4回目の海への放出を開始しました。

汚染水を処理したあとに残るトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について東京電力は去年8月から、基準を下回る濃度に薄めて海への放出を開始し、これまで3回にわたって合わせて2万3351トンを放出しています。

東京電力は、28日午前11時10分ごろ、今年度計画していた4回のうち最後となる放出を始めました。

来月中旬にかけておよそ7800トンを放出する予定です。

これまでの放出で、目立ったトラブルはなく、原発周辺で採取された海水のトリチウム濃度は、東京電力が自主的に放出停止を判断する基準を大きく下回っています。

しかし、汚染水を処理する過程では、去年10月に、作業員が放射性物質を含む廃液を浴び、一時入院したほか、今月7日には汚染水の浄化装置から放射性物質を含む水が漏れるトラブルが起きています。

27日に開かれた福島県内の漁協関係者の会議でも、作業のあり方に対する懸念の声が上がっていて、東京電力の安全管理に地元などから厳しい目が向けられています。

中国外務省 4回目の処理水放出「中国は断固反対」

東京電力が福島第一原子力発電所にたまる処理水の4回目となる海への放出を開始したことについて、中国外務省の毛寧報道官は28日の記者会見で、処理水を「核汚染水」と呼んで「汚染のリスクを全世界に転嫁することは国際法に反し、極めて無責任だ。中国は断固反対する」と述べ、日本側に処理水の放出をやめるよう改めて求めました。

そのうえで「中国側は日本側に対し、近隣諸国などの利害関係者の実質的な参加を得て、独立した実効性のある長期かつ国際的なモニタリング体制を確立するよう求める」と述べ、これまでの主張を繰り返しました。