ロシア野党指導者ネムツォフ氏殺害から9年 反政権の動き警戒か

ロシアでプーチン政権に批判的だった野党指導者が殺害されてから27日で9年となり、欧米の大使らが花を手向け追悼しました。ロシアでは今月、反体制派の指導者ナワリヌイ氏の死亡をめぐっても追悼の動きが起きていて、当局側は反政権の動きが広がることに警戒を強めているとみられます。

ロシアでは2015年に首都モスクワでプーチン政権に批判的だった野党指導者のネムツォフ氏が銃で撃たれて殺害され、実行犯が殺人などの罪で有罪判決を受けましたが、誰の指示だったのかなどはわかっていません。

事件から9年となった27日、現場となった橋では、モスクワに駐在する欧米の大使や市民が訪れて花を手向け、ネムツォフ氏の死を悼みました。

ロシアでは来月の大統領選挙でネムツォフ氏の側近だったナデジディン元下院議員がウクライナへの侵攻に反対し、プーチン大統領に対抗する候補として注目されましたが、選挙管理委員会は立候補を認めませんでした。

また今月、刑務所に収監されていた反体制派の指導者ナワリヌイ氏の死亡が発表され支援団体は告別式を開きたいとしていましたが、27日SNSで「開催場所を探しているが、ナワリヌイの名前を出すと拒否される。われわれへの協力は禁じられているとも言われた」と明らかにしました。

ナワリヌイ氏の死亡をめぐっては追悼の動きや政権への抗議デモなども起きていますが、ロシア大統領府のペスコフ報道官は「支持者の動きは非常に悪質だ」などと非難していて、当局側は反政権の動きが広がることに警戒を強めているとみられます。