文化財を別の場所に移し保護 「文化財レスキュー」 石川 輪島

能登半島地震で被災した古文書や美術品などの文化財を別の場所に移して保護する「文化財レスキュー」の取り組みが石川県輪島市で進められています。

27日は輪島市門前町黒島町の「旧角海家住宅」で、輪島市から委託を受けた会社の社員らが文化財を運び出す作業を行いました。

「旧角海家住宅」は、北前船の船主や船員たちの町として栄えたこの地域を代表する建物として国の重要文化財に指定されていますが、地震で一部が倒壊するなど被害が確認されました。

社員らは倒壊を免れた主屋の一部から、ふすまやびょうぶ、それにつぼなどの美術品を一つ一つ丁寧に運び出していました。

保護された文化財は金沢市の施設に移され、汚れを取り除く作業などを行ったうえで保管するということです。

輪島市によりますと、市内では国や県などから指定を受けたほとんどの文化財が地震の被害を受けたということで、今後、保護や修復を進めることにしています。

作業にあたった堀井洋さんは「文化財は地域にとっても学術的にも価値があり、後世に残す必要がある。建物だけでなく文化財もしっかりと守っていきたい」と話していました。