香港 民主派団体のメンバーがデモ 「国家安全条例」に異議

香港で、民主派団体のメンバー3人が、政府が制定を目指す条例に異議をとなえるデモを行いました。香港では、反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法が施行されて以降、政府などに対する反対の声が厳しく抑え込まれていて、今回のデモは異例なものだと受け止められています。

香港政府の庁舎前で27日、民主派団体「社民連」のメンバー3人がデモを行いました。

香港政府は、近く国家機密を盗むことやスパイ行為などを取り締まる「国家安全条例」の制定を目指しています。

これに対して3人は「国家機密の定義が広すぎる」と指摘したほか「民主主義や人権と国家の安全のバランスを取るべきだ」などと訴えました。

そして、その場で意見書を政府の担当者に手渡しました。

香港では4年前に反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法が施行されて以降、政府や中国共産党などに対する反対の声が厳しく抑え込まれていて、現地では、今回のデモは異例なものだと受け止められています。

民主派団体の3人はデモの前、20人余りの私服の警察官らに取り囲まれ、荷物を調べられるなどしていて、デモを行った女性は「最も怖いのは、香港全体が恐怖に包まれていることです。以前は不満があれば公の場で批判できましたが、今は不満を持っていても表に出てくる人は誰もいません」と話していました。