金門島沿岸 中国当局の船が無許可航行 台湾の閣僚が非難

台湾の離島、金門島の沿岸に設定されている「禁止水域」を26日中国当局の船が無許可で航行していたことが明らかになり、台湾の閣僚は「受け入れるわけにいかない」と中国当局を非難しました。

これは、台湾の海洋委員会のトップで閣僚の管碧玲主任委員が27日報道陣に明らかにしたものです。

それによりますと、26日、金門島の沿岸の「禁止水域」を、「中国海監」の船1隻が、また「制限水域」を「中国海警」の船4隻が、それぞれ無許可で航行したということです。

これらの水域は、台湾当局が設定しているものですが、中国側にも暗黙の了解があったとされ、「禁止水域」を中国船が無許可で航行することは台湾側から見て事実上の領海侵犯に当たります。

金門島沿岸では、今月14日、台湾当局の取締り中に、中国の漁船が転覆して乗組員のうち2人が死亡しました。

これに反発した中国当局は、この海域でのパトロールを強化すると表明し、今月20日にも「中国海監」の船1隻が、島の「禁止水域」を無許可で航行したことが確認されていました。

管主任委員は、中国当局の意図について、「政治的な意味が強い。主権を示す1つの形だ」と憂慮を示しました。

台湾では、中国当局が沖縄県の尖閣諸島周辺の日本の領海への侵入を常態化させるやり方を、金門島周辺にも持ち込んでいるという見方が出ていて管主任委員は「とても受け入れるわけにいかない」と中国当局を非難しました。

中国海警局 金門島周辺海域での演習映像を公開

中国海警局は、台湾の離島、金門島の周辺海域で25日午後演習を行ったとして、映像を公開しました。

公開された映像では、海警局の船が隊列を組んで航行したり、乗組員が双眼鏡で周囲を監視したりしている様子がうつされています。

金門島沿岸では、今月14日、台湾当局の取締り中に中国の漁船が転覆して乗組員のうち2人が死亡し、中国海警局は、対抗措置の形で、金門島周辺の海域でパトロールを強化すると表明していました。