使用済み核燃料 新たな貯蔵施設 設置の方針 東北電力 女川原発

東北電力は、ことし9月ごろの再稼働を目指す宮城県の女川原子力発電所2号機について、使用済み核燃料を保管するプールがひっ迫する可能性があるとして、「乾式貯蔵」と呼ばれる方式の新たな貯蔵施設を原発の敷地内に設ける方針を県に伝えました。4年後、2028年の運用開始を目指すとしています。

27日は東北電力の青木宏昭原子力部長が県庁を訪れ、宮城県の千葉章復興・危機管理部長と面談しました。

この中で東北電力側は、女川原発2号機の使用済み燃料プールは2月時点で75%が使用されていて、ことし9月ごろに再稼働した場合、4年ほどでいっぱいになる見込みだと説明しました。

そのうえで、使用済み核燃料を一時的に保管する新たな貯蔵施設を原発の敷地内に設ける方針を明らかにしました。

新たな施設は、放射線を遮る金属容器の中で核燃料を空気で冷やす「乾式貯蔵」と呼ばれる方式で、今回は2棟設置され、1棟目の運用開始は4年後の2028年を目指しています。

設置には、県のほか、原発が立地する女川町と石巻市の了解が必要で、東北電力は28日、国に審査の申請を行ったうえで自治体との協議に入ることにしています。

東北電力の青木部長は「乾式貯蔵施設は基本的に安全な設備だと認識しているが、全戸訪問なども通じて県民や地元の住民に丁寧に説明していきたい」と述べました。

使用済み核燃料の保管は全国的に課題になっていて、今回と同じような乾式貯蔵の施設は九州電力、四国電力、中部電力、それに関西電力の原発でも導入される計画です。