【詳細27日】ヨルダン空軍 ガザ地区に最大規模の物資投下

深刻な人道危機が続くガザ地区に対し、ヨルダン空軍は26日、医薬品や食料などの支援物資を上空から投下しました。
物資の投下としてはこれまでで最大規模だということです。

※イスラエルやパレスチナに関する日本時間2月27日の動きを随時、更新してお伝えします。

ヨルダン空軍 ガザ地区に栄養価の高い食べ物など物資投下

ヨルダン空軍によりますと、物資の投下は26日にフランス軍の輸送機を含む4機で行われ、ガザ地区の住民に直接届けるため上空から海岸沿いに投下されました。

投下された物資の中には栄養価の高い食べ物や医薬品などが含まれているということです。

ロイター通信によりますと、ガザ地区への支援物資の投下としてはこれまでで最大規模だということで、映像では、輸送機の後ろからパラシュートがついた物資が次々と投下され、地上に向かってゆっくりと降下していく様子が映されています。

海上に落ちた物資は住民たちがボートなどで回収したということです。

“戦闘休止と人質解放” ロイター通信が具体的内容伝える

イスラエルとイスラム組織ハマスの間で続く戦闘の休止をめぐる交渉についてロイター通信は、ハマス側が人質40人を解放することを条件に、イスラエルも刑務所に収容しているパレスチナ人およそ400人を釈放するといった具体的な内容を報じました。
ただ双方が合意に至るかは不透明な状況です。

ガザ地区では27日も南部ラファやガザ市を中心にイスラエル軍による空爆などが続いていて、現地の保健当局は、これまでの死者は2万9878人に上ると発表しました。

イスラエルとハマスの間では、カタールなどを仲介国として戦闘の休止や人質の解放をめぐる交渉が続けられています。

ロイター通信は27日、関係者の話としてハマスがイスラエルと仲介国からの提案を受け取ったと伝えています。

それによりますと、戦闘を40日にわたって休止し、その間にハマスが女性や高齢者などの人質40人を解放する一方、イスラエルも刑務所に収容しているパレスチナ人およそ400人を釈放するということです。

また、ガザ地区に対し、一日当たりトラック500台分の支援物資を搬入することなども盛り込まれているとしています。

バイデン大統領 3月4日までに戦闘休止が始まることに期待

アメリカのバイデン大統領は26日、訪問先のニューヨークで「交渉は終わっていないが戦闘休止は近いと聞いている」と述べ、近く交渉がまとまり、週明けの3月4日までに戦闘の休止が始まることに期待を示しました。

ただ、ハマス側は27日「優先すべきはイスラエル軍の侵略を止めることで、人質の解放はその後だ」とする声明を出したほか、イスラエル側も完全な停戦は認めない姿勢で、双方が戦闘の休止で合意に至るかどうかは依然として不透明な状況です。

イスラエル交渉団がカタール到着

イスラエルとハマスの戦闘休止と人質解放をめぐる交渉は、23日からフランスのパリでイスラエルとアメリカが、カタールなどの仲介国と協議を行い、イスラエル側はおよそ40人の人質の解放を条件に6週間、戦闘を休止する案に同意したと報じられています。

また、追加の協議が行われることになり、イスラエルの有力メディア、ハーレツはイスラエルの代表団が26日、カタールに到着したと伝えました。

イスラエルとしては、解放される人質を具体的に決めたい考えですが、協議をめぐってこれまでのところハマス側の動向は伝えられていません。

ネタニヤフ首相は、ハマスが求める完全な停戦をあくまでも拒む姿勢を示していて、双方の隔たりは依然として大きいと見られ、交渉が進展するのか、不透明な情勢です。

一方、パレスチナ暫定自治政府ではシュタイエ首相が26日「ガザ地区の新たな現実を踏まえた政治的取り決めが必要だ」として内閣総辞職を表明しました。

アメリカなどはガザ地区での戦闘終結後、改革を経たパレスチナ暫定自治政府がガザ地区を統治するべきだとの考えを示していて、今回の内閣総辞職はその改革に向けた動きとみられています。