ロシア軍兵士の家族らの会合 軍の対応に不満や不安の声相次ぐ

ウクライナ侵攻で戦地に派遣されたロシア軍の兵士の家族らの会合がモスクワで開かれ、軍の対応に対して不満や不安の声が相次ぎました。

兵士の家族を支援しているNGO「兵士の母の委員会」が26日にモスクワ市内で開いた会合にはロシア各地から夫を亡くした女性などおよそ40人が参加しました。

会合では、軍検察局のモスクワ市の担当者が兵士の給与や医療サービスなどについて説明したうえで、できるだけ家族を支援したいと述べました。

これに対し出席した家族からは「息子がけがをしたのに、すぐに適切な治療を受けることができなかった」とか、「夫は契約兵としての期間が終わったのに、軍から解放されない」といった不満や不安の声が相次ぎました。

去年8月に死亡した夫の遺体がまだ家族の元に返っていないという女性は「多くの人が亡くなり、多くの家族がバラバラになったこの2年は地獄のようです。遺体を返してほしい、それだけです」と訴えていました。

プーチン大統領はおととし11月、兵士の母親たちを大統領公邸に招いて要望を聞くなど配慮する姿勢を強調する一方で、「母と妻の評議会」という別の家族の団体は去年3月、ロシア政府に外国のスパイを意味する「外国の代理人」に指定されるなど家族の活動にも圧力が強まっています。

こうした状況で活動していることについてNGO代表のスベトラーナ・ゴルブさんは「ロシアで、母親たちへの尊敬が失われていることは本当に不快なことです」と話していました。