南シナ海で“中国が障害物を設置し航行妨害”フィリピンが非難

フィリピン当局は中国海警局が中国とフィリピンの間で領有権が争われている南シナ海の岩礁の周辺に、障害物を設置したとして中国側を非難しました。一方、中国政府は、フィリピン側が中国の主権を侵害したと反論しました。

フィリピンの沿岸警備隊が障害物の設置を確認したのは、ルソン島から西に200キロ余り離れた南シナ海にあるスカボロー礁と呼ばれる岩礁の周辺です。

2月22日、中国海警局の船が岩礁の入り口を塞ぐように白い浮き球を連ねた障害物を設置し、フィリピン漁船の航行を妨害したということです。

また、中国の船がフィリピンの公船を取り囲み、進路を阻んだとして中国側の対応を非難しました。

スカボロー礁は、フィリピンの排他的経済水域の内側にありますが、中国が2012年から実効支配を続けていて、2016年の国際的な仲裁裁判の判断でも、中国がフィリピンの漁業権を侵害していると認定されています。

中国外務省の報道官は26日の記者会見で、フィリピン側が中国の主権を侵害したと主張し、「必要な措置を講じて主権と海洋権益を断固として守らなければならない」と反論しました。

現場では、去年9月にも中国側が岩礁の周辺に障害物を設置し、フィリピン側が実力行使で撤去したため、双方で一時緊張が高まりました。