宝塚歌劇団 運営の親会社 角和夫会長が理事退任で最終調整

宝塚歌劇団に所属する25歳の劇団員が死亡した問題をめぐって、歌劇団を運営する阪急電鉄の親会社「阪急阪神ホールディングス」の角和夫 会長が歌劇団の理事を退任する方向で最終的な調整を進めていることが関係者への取材で分かりました。

去年9月、宝塚歌劇団の宙組に所属していた25歳の劇団員が兵庫県宝塚市で死亡しているのが見つかりました。

歌劇団は、去年11月、長時間の活動などで強い心理的負荷がかかっていた可能性は否定できないとする一方、いじめやパワハラは確認できなかったとする調査報告書の内容を公表しましたが、遺族側の代理人弁護士は上級生らからのパワハラなどがあったと主張していて、両者の間で協議が続いています。

こうした中、歌劇団を運営する阪急電鉄の親会社、阪急阪神ホールディングスの角和夫 会長が歌劇団の理事を退任する方向で最終的な調整を進めていることが関係者への取材で分かりました。

理事会は歌劇団の役職者や演出家ら10人で構成され、運営方針などを決めていて、角氏は、2014年3月から10年にわたって理事を務めてきました。

角氏は去年12月、劇団員を養成する宝塚音楽学校の理事長を退任していて、近く、学校の理事についても退任する見通しです。

歌劇団側は、組織の管理体制にも問題があったことを遺族側に対して認める方針で、角氏は、その責任を取る意向だということです。

これによって角氏は歌劇団の運営から退く形ですが、遺族側への対応や歌劇団の組織風土の改善などには引き続き関わっていくとみられます。