イスラエル首相 “交渉合意できても” 地上作戦 踏み切る考え

イスラエルとイスラム組織ハマスの間では、戦闘休止などを巡って交渉が続けられています。ただ、ネタニヤフ首相は、交渉で合意できたとしてもハマスを壊滅するため、ガザ地区南部のラファへの地上作戦については、あくまでも踏み切る考えを強調しました。

ガザ地区での戦闘の休止と人質の解放などを巡る交渉については、ハマスがおよそ40人の人質を解放することを条件に、6週間程度、戦闘を休止する案にイスラエルと仲介国が同意したとイスラエルのメディアなどが報じています。

これについて、イスラエルのネタニヤフ首相は25日に放送されたアメリカのCBSテレビのインタビューに対して「人質解放で合意できるか、まだわからない」と述べました。

その上でネタニヤフ首相は、ガザ地区南部ラファへの攻撃を巡って「交渉で合意できたとしても、時期が多少遅くなるだけだ。作戦をいったん始めれば、われわれは数週間以内に完全な勝利を得られる」と述べ、ハマスを壊滅するため、その最後の拠点とするラファへの地上作戦については、あくまでも踏み切る考えを強調しました。

避難者を含む150万人近くが暮らすラファへの地上作戦を巡っては「子どもを中心に、さらに多くの死傷者が出ることになる」として国際社会から強い懸念が出ています。

イスラエル国内でも24日、人質の解放が進まないことなどに不満を抱く市民が激しい抗議デモを行い、警察と衝突する事態になるなど、軍事作戦より交渉を優先させるよう求める声が強まっています。

米 サリバン大統領補佐官 “人質交渉 見解の一致”

ガザ地区での戦闘休止と人質の解放などをめぐる交渉について、仲介国の1つであるアメリカのサリバン大統領補佐官は25日、CNNテレビのインタビューの中で「イスラエルと仲介国の間で大枠がどのようなものになるかについて、見解の一致がみられた」と述べました。

ただ、詳細についての交渉は続いているとして具体的な中身は明らかにしませんでした。

また、サリバン補佐官は「最終的にはハマスが人質の解放について合意しなければならない」と述べ、イスラエルとの間で見解の一致が見られたことを踏まえて、今度は仲介国のカタールなどがハマスと行う協議の行方を見守る姿勢を示しました。