ウクライナ軍 ロシア中部 最大級の製鉄所を無人機で攻撃か

ウクライナ軍はロシア中部にある最大級の製鉄所を無人機で攻撃したとみられ、軍事侵攻が長期化する中、無人機を利用した攻撃の応酬が続いています。一方、ロシアでは来月、大統領選挙が行われますが、プーチン政権は一方的に併合したウクライナ南部の州で、期日前投票を始めたと主張し、支配を既成事実化するねらいがあるとみられます。

ウクライナ空軍は25日、ロシア軍が無人機でキーウ州や東部、南部などに攻撃を仕掛け、18機のうち16機は撃墜したと発表しました。

一方、ウクライナのメディアは情報筋の話として24日、ロシア中部リペツク州にあるロシアで最大級の製鉄所に対し、ウクライナ側が無人機の攻撃を行い、大規模な火災が起きたと伝えました。

製鉄所ではロシア軍のミサイルや無人機など兵器の材料が製造されていると指摘していて、地元の州知事もSNSで製鉄所で火災が起きたとしています。

ウクライナ軍はことしに入ってロシア側の石油関連施設などに対しても、各地で無人機による攻撃を仕掛けているとみられ、侵攻が長期化する中、無人機を利用した攻撃の応酬が続いています。

一方、ロシアでは来月15日から17日にかけて大統領選挙の投票が行われ、プーチン大統領の勝利が確実視されています。

ロシアの国営メディアは、選挙管理委員会の話として軍事侵攻のあと、一方的に併合したウクライナ南部のザポリージャ州で、25日から期日前投票が始まったと伝えました。

プーチン政権は一方的に併合したウクライナの4つの州で、選挙だとする活動を強行することで、支配を既成事実化するねらいがあるとみられます。

ウクライナ軍 総司令官が前線訪問“徹底抗戦を”

ウクライナ軍のシルスキー総司令官は25日、前線を訪問して東部の激戦地での戦闘に貢献した兵士たちを表彰したと明らかにし、軍事侵攻を続けるロシアに対し徹底抗戦する姿勢を改めて示しました。

ウクライナ軍のシルスキー総司令官は25日、SNSでウメロフ国防相とともに前線の指揮所を訪問したと発表しました。

具体的な場所は明らかにされていませんが、前線の状況について報告を受けたほか、激戦のすえ撤退した東部アウディーイウカや、バフムトなどでの戦闘に貢献した兵士たちを表彰したとしています。

これに先立ち、シルスキー総司令官はロシアによる侵攻が始まってから2年となる24日に、声明でこれまでの戦闘を振り返り「第2次世界大戦以降、ヨーロッパで最大の戦争になった」と指摘した上で、ウクライナが一部の領土を奪還し持ちこたえてきたとたたえました。

その一方で、去年6月に始めた反転攻勢については「残念ながら、客観的な状況により、望ましい結果をもたらせなかった」として思うように進まなかったことを認めました。

そして「ウクライナのすべての町や村が多くの市民が犠牲になった首都近郊のブチャや、アウディーイウカなどのようにならないよう戦い続けている」と強調し、空での攻撃を強めるなどロシアに対し徹底抗戦する姿勢を改めて示しました。