台湾の最大野党・国民党の副主席が訪中へ 中国側の待遇に注目

台湾の最大野党・国民党は、夏立言副主席が26日から中国を訪問すると発表しました。台湾でことし5月に民進党の頼清徳政権が発足するのを前に、議会で最も多い議席を獲得した国民党の代表を中国側がどのような待遇で迎えるか注目されます。

国民党によりますと、夏氏は26日から7日間の日程で中国のアモイ、広州、上海などを訪問し、現地の台湾企業関係者などに旧暦の新年のあいさつをするということです。

「大陸の当局者との面会は予定にないが、排除しない」としていて、中国の高官と面会する可能性もあります。

そして、面会の機会があれば、2月14日に台湾の離島の金門島沿岸で起きた中国漁船の転覆事故の犠牲者に対する哀悼の意とともに、台湾の大多数の人たちは中国との関係悪化が続くのを望んでいないことを伝えるとしています。

転覆事故について中国当局は「悪質な事件」として民進党政権を非難し、これまで暗黙の了解があったとされる島の沿岸水域での台湾の管轄権を覆すかのような動きも見せています。

国民党は「台湾海峡両岸の対話が欠けている中で突発的な事件が起きると、危険な情勢がエスカレートしかねないことが浮かび上がった」と民進党政権を批判し、「最大野党として積極的に情勢の緩和をはかる」と主張しています。

台湾でことし5月に民進党の頼清徳政権が発足するのを前に、議会で最も多い議席を獲得した国民党の代表を中国側がどのような待遇で迎えるか注目されます。