フィリピン 民主化運動の記念日 “祝日にせず” 反発の声も

フィリピンは25日、かつて独裁体制を敷いた故マルコス元大統領を失脚させた民主化運動の記念日です。しかし、長男で現職のマルコス大統領がこの記念日をことし、国の祝日とはしないと決め、市民からは「歴史を書き換えようとする試みだ」などと反発する声も出ています。

フィリピンでは38年前の25日、独裁体制を敷いた故マルコス元大統領が街頭に繰り出した大勢の国民の抗議により失脚し、政権が崩壊しました。

フィリピンでは、この日は「ピープルパワー」と呼ばれる民主化運動の記念日として、これまで毎年国の祝日とされていましたが、ことしは元大統領の長男で現職のマルコス大統領が大統領令で祝日とはしないと決めました。

こうした中、民主化運動の舞台の一つとなった首都マニラの会議場では市民団体が集会を開き、参加者からは記念日を祝日としない決定について「歴史を書き換えようとする試みだ」などと反発する声も出ていました。

また、会場では、当時の映像が紹介されたほか、独裁政権時代に犠牲となった人たちを追悼するなどして、民主化運動の意義を強調していました。

参加した17歳の女子高校生は「学校では民主化運動の歴史を詳しく教えてくれないので、母親とともに学びに来た」と話していました。

また、18歳の男子高校生は「政府が歴史を修正したり壊したりしようとしているようで悲しいです。私たち若者はかつての残虐行為や現在の自由をどのように勝ち取ったかの歴史を忘れてはいけない」と話しています。