金沢大学 被災した受験生を対象に受験料や授業料など免除へ

国立大学の2次試験の前期日程が25日から始まり、石川県内でも多くの受験生が試験に臨んでいます。金沢大学では、能登半島地震で被災した受験生を対象に受験料や入学後の授業料などを免除するということです。

国公立大学の2次試験は25日から前期日程が始まり、このうち、金沢大学の角間キャンパスでも、「人間社会学域」や「融合学域」といった4つの学域などの試験が行われています。

初日の25日は、外国語、数学、それに理科の試験が行われることになっていて、試験開始の2時間ほど前から受験生が次々と会場に集まっていました。

金沢大学では、能登半島地震で被災した受験生を対象に受験料や入学後の授業料などを免除するということです。

金沢市の高校の男子生徒は「ずっと金沢大学に行きたくて勉強してきたので、後悔のないように頑張りたいです」と話していました。

また、金沢市の高校の女子生徒は「緊張してあまり寝ることができませんでしたが、いろんな人に支えてもらったので、力を発揮できるように頑張りたいです」と話していました。

金沢大学の志願者数は3493人で、志願倍率は去年より0.18ポイント低い2.25倍となっています。

試験は26日も行われ、合格発表は来月9日に行われます。

被災地出身の学生を対象に奨学金

学生たちの進学や学業の継続を支援し、卒業後は復興の担い手になってもらおうと、能登半島ゆかりの人たちが被災地出身の学生を対象に奨学金を支給することになりました。

奨学金を支給するのは、地震後の先月6日に発足した団体「能登半島地震避難者受入基金」です。

団体は珠洲市などを拠点としたり、珠洲市で町おこしをしたりしている企業経営者などを中心に、能登半島にゆかりのある人たちがメンバーで、被災した影響で経済的に進学や学業の継続ができなくなるおそれのある学生に、奨学金を支給し支援することで、卒業後、復興の担い手になってもらうのがねらいです。

奨学金は年間、ひとり当たり120万円の支給を予定し、対象は30人程度を想定しているということです。

対象となるのは
▽大学、大学院、専修学校、短期大学、それに高等専門学校に通う石川県内の被災地出身の学生で
▽卒業後に復興の担い手になる意思があり
▽月1回、団体が開く復興に向けた会議に参加することが条件です。

申し込みは、来月1日から専用のホームページで受け付け、書類選考をしたうえでことし4月1日から支給を始めるということです。

団体では、より多くの学生を支援できるよう寄付も呼びかけています。

団体を立ち上げた岩城慶太郎さんは、珠洲市と東京などを拠点に医薬品の製造販売をする会社を経営し、これまで避難者の移動支援も行ってきたということで「若い学生たちに苦労せずに学びを続けてもらいたいし、未来の能登を一緒に作っていきたい」と話しています。