特産のナマコ加工品が生産できず 地震の影響で 石川 穴水町

能登半島地震で大きな被害を受けた石川県穴水町では、ナマコを加工した特産の「コノワタ」や「クチコ」が生産できない状態になっています。

能登地方特産のナマコの加工品、内臓を塩漬けにした「コノワタ」や卵巣や精巣を乾燥させて作る「クチコ」は例年、2月から3月にかけて生産がピークを迎えます。

穴水町中居南のナマコの加工業者、森川仁久郎さん(78)の加工場は床にひびが入った程度で機材や道具も無事でしたが、地震の影響でナマコ漁が行われていないため仕入れがストップしているということです。

能登地方でのナマコの水揚げは漁師の高齢化などのため減少傾向で、森川さんによると穴水町内の加工業者はほかに1軒しかないということです。

森川さんはナマコの加工をできるかぎり続け能登地方の食文化を守りたいと考えていて「加工の方法は体に染みついているので、ナマコさえあればいつでも生産を始めます。ただ、焦ってもしかたがないので命があることに感謝して時を待とうと思います」と話していました。