【詳細25日】“6週間戦闘休止” 交渉でイスラエル側が同意か

イスラエルでは、ガザ地区でのイスラム組織ハマスとの衝突で人質の解放が進まないことに不満をもつ市民が激しい抗議デモを行い、警察が出動して鎮圧にあたる事態となりました。

※イスラエルやパレスチナに関する日本時間2月25日の動きを随時、更新してお伝えします。

“一部の人質解放条件に6週間戦闘休止”イスラエル側が同意か

イスラエルとイスラム組織ハマスの間で続く戦闘休止などを巡る交渉について複数のメディアは24日、一部の人質の解放を条件に6週間、戦闘を休止する案にイスラエルと仲介国が同意したと報じました。
今後、仲介国がこの案をもとにハマス側と協議するものとみられます。

戦闘の休止と人質の解放などをめぐる交渉は、フランスのパリで23日からイスラエルとアメリカ、そしてカタールなどの仲介国が協議を行っていました。

これについてイスラエルのメディアなどは24日、ハマスがおよそ40人の人質を解放することを条件に、6週間程度、戦闘を休止する案にイスラエルと仲介国が同意したと伝えました。

解放される人質は主に女性や高齢者などで、その一方でイスラエルの刑務所に収容されているパレスチナ人、数百人の釈放やガザ地区に搬入される人道支援物資の増加なども盛り込まれるということです。

今後、カタールなどの仲介国がこの案をもとにハマスと協議するものとみられますが、完全な停戦を求めるハマスがどう応じるかが焦点です。

一方、イスラエル軍は避難者を含む150万人近くが暮らす南部ラファへの地上作戦に向けて住民の退避とハマスの壊滅を両立させる計画の策定を進めています。

ネタニヤフ首相は24日、SNSへの投稿で「今週初めには閣議を開き、ラファでの作戦計画を承認するだろう。軍事的圧力をかけて厳しく交渉に臨むことが人質解放につながる」と主張し、地上作戦を強行する構えを崩していません。

アメリカ軍 “イギリス軍と合同でフーシ派の拠点攻撃”

イエメンの反政府勢力、フーシ派は去年11月以降、イスラエルと戦闘を続けるハマスとの連帯を掲げ、紅海周辺で船舶への攻撃を繰り返していて、船舶がう回を余儀なくされるなど世界の物流に大きな影響を及ぼしています。

こうしたなか、アメリカ中央軍は24日、声明を発表し「フーシ派の力を低下させ、船舶への攻撃を封じ込めるためだ」として、イギリス軍と合同で、フーシ派の支配地域を攻撃したと明らかにしました。

攻撃の標的は、地下の武器庫やミサイル貯蔵庫、それに無人機など18に上るとしています。

また、オースティン国防長官も声明を発表し「アメリカは世界で最も重要な水路で人命や自由な通商の流れを防衛するため、必要に応じて行動を起こすことをちゅうちょしない」として、さらなる攻撃も辞さない構えを示しました。

アメリカメディアは、アメリカ軍とイギリス軍が合同でフーシ派の拠点を攻撃するのは1月以降、今回が4回目だと伝えています。

ただ、フーシ派による船舶への攻撃は収まっていない状況で、今回の攻撃によってフーシ派の動きを封じ込めることができるかどうかは不透明です。

イスラエル首相 完全な停戦に応じない姿勢崩さず

イスラエル軍は24日もガザ地区各地で激しい空爆などを続け、現地の保健当局は過去24時間に92人が死亡し、ガザ地区のこれまでの死者は2万9606人にのぼったとしています。

一方、アメリカやカタールなどが仲介する戦闘休止と人質解放に向けた協議が23日、フランスで行われ、アメリカのメディアは、仲介国側から解放する人質の人数など新たな提案が示されたと伝えましたが、詳しい内容は明らかにされていません。

ただ、イスラエルのネタニヤフ首相は、ハマス側が求めている完全な停戦には応じない姿勢を崩しておらず、交渉が進展するかどうかは不透明です。

イスラエル 人質解放求めデモ

イスラエル最大の商業都市テルアビブでは、24日夜、人質の早期解放を求める大規模なデモが行われました。

集まった数千人の参加者は「人質を家に帰せ」などと書かれたプラカードを掲げ、ネタニヤフ政権に交渉を進めるよう訴えていました。

さらにデモ隊の一部は警察のバリケードを撤去しようとして警察の騎馬隊と衝突し、現場は一時騒然とした空気に包まれました。

友人が人質に捕らわれているという男性は、「交渉の進展があまりに遅すぎる。人質解放は軍事作戦では実現できない」と述べ、ネタニヤフ政権に交渉を優先的に進めるよう強く訴えていました。