イスラエルで人質の解放求める抗議デモ 一部が警察と衝突

イスラエルでは、ガザ地区でのイスラム組織ハマスとの衝突で人質の解放が進まないことに不満をもつ市民が激しい抗議デモを行い、警察が出動して鎮圧にあたる事態となりました。

イスラエル軍は24日もガザ地区各地で激しい空爆などを続け、現地の保健当局は過去24時間に92人が死亡し、ガザ地区のこれまでの死者は2万9606人にのぼったとしています。

一方、アメリカやカタールなどが仲介する戦闘休止と人質解放に向けた協議が23日、フランスで行われ、アメリカのメディアは、仲介国側から解放する人質の人数など新たな提案が示されたと伝えましたが、詳しい内容は明らかにされていません。

ただ、イスラエルのネタニヤフ首相は、ハマス側が求めている完全な停戦には応じない姿勢を崩しておらず、交渉が進展するかどうかは不透明です。

こうしたなか、イスラエル最大の商業都市テルアビブでは、24日夜、人質の早期解放を求める大規模なデモが行われました。

集まった数千人の参加者は「人質を家に帰せ」などと書かれたプラカードを掲げ、ネタニヤフ政権に交渉を進めるよう訴えていました。

さらにデモ隊の一部は警察のバリケードを撤去しようとして警察の騎馬隊と衝突し、現場は一時騒然とした空気に包まれました。

友人が人質に捕らわれているという男性は、「交渉の進展があまりに遅すぎる。人質解放は軍事作戦では実現できない」と述べ、ネタニヤフ政権に交渉を優先的に進めるよう強く訴えていました。