ナワリヌイ氏の遺体 母親に引き渡し 支援団体が明らかに

ロシアのプーチン政権への批判を続け刑務所で死亡した反体制派の指導者ナワリヌイ氏をめぐって、支援団体はこれまで当局側が拒んできた母親への遺体の引き渡しが行われたと明らかにしました。

今月16日に北極圏にあるロシア北部のヤマロ・ネネツ自治管区の刑務所で死亡したと発表された反体制派の指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏について、支援団体の広報官は24日、「アレクセイの遺体が母親に引き渡された」とSNSに投稿し、母親のリュドミラさんに遺体が引き渡されたことを明らかにしました。

一方で広報官は、このあと家族の望みどおりにナワリヌイ氏の葬儀が執り行えるかどうかはまだ見通せない、としています。

リュドミラさんはこれまで繰り返し遺体の引き渡しを求めていましたが、広報官によりますと、前日の23日まで当局はリュドミラさんに「秘密裏の埋葬に同意するか、同意しなければ刑務所の敷地内に埋葬する」と迫っていたということで、一転して引き渡しに応じたかたちです。

ナワリヌイ氏の死亡をめぐってはプーチン政権が関与したのではないかという疑惑が指摘され、欧米各国からの非難が高まっていますが、死亡の発表から8日過ぎてから遺体が引き渡されたことで、遺族側による検証につながるのかは不透明です。

一方、ロシアの人権団体などによりますと、ロシア各地では24日もナワリヌイ氏の追悼やウクライナ侵攻への抗議の動きが見られ、当局があわせて30人以上を拘束したということです。