ボクシング 中谷潤人 3階級制覇 井上拓真 初防衛

プロボクシングの中谷潤人選手が24日夜、都内で行われたWBC=世界ボクシング評議会バンタム級のタイトルマッチに挑戦者として臨んでテクニカルノックアウト勝ちし、3階級制覇を達成しました。

中谷選手は去年、スーパーフライ級で世界タイトルを獲得して2階級制覇を果たし、その後、1つ上のバンタム級に階級を上げました。

その初戦として24日夜、東京 両国の国技館で、WBCバンタム級のチャンピオンで、メキシコのアレハンドロ・サンティアゴ選手とのタイトルマッチに臨みました。

中谷選手は力強いワンツーのコンビネーションを軸に主導権を握り、第6ラウンドでは左ストレートで相手の顔面を捉えてダウンを奪いました。

そして、再開直後に相手をロープ際に追い詰めて再びダウンを奪ったところでレフェリーが試合を止め、6ラウンド1分12秒でテクニカルノックアウト勝ちして3階級制覇を達成しました。

中谷選手は三重県東員町出身の26歳。

去年、100年を超える歴史があるアメリカのボクシング専門誌で「年間最優秀KO賞」に選ばれた強力なパンチが持ち味で、24日夜の勝利で27戦全勝としました。

無敗での3階級制覇は日本男子では3人目です。

井上拓真 WBAバンタム級で初防衛

また、井上尚弥選手の弟でWBA=世界ボクシング協会バンタム級チャンピオンの井上拓真選手は、スーパーフライ級で9回の防衛を果たした元世界チャンピオンのフィリピンの選手に9ラウンド、ノックアウト勝ちで初めての防衛を果たしました。

中谷潤人「気が引き締まる思い これからも頑張りたい」

3階級制覇を果たした中谷潤人選手は「バンタム級、WBCは多くの日本人のチャンピオンたちも手にしてきているベルトなので気が引き締まる思いだ。これからも頑張りたいという気持ちで皆さんの期待に応えられるような熱いファイトをしていきたい」と話していました。

井上拓真「こういう勝ち方で終われて最高」

初めての防衛をノックアウト勝ちで飾った井上拓真選手は「これまでで一番の強敵だと思って当日まで不安いっぱいで、勝つか負けるかわからない極限の状態で練習してきた。ここまで判定勝ちが続いていてお客さんを退屈にさせてしまったところもあったが、自分が変わったところを見せたいと思ってここまで頑張ってきた。こういう勝ち方で終われて最高だ」と喜びを語りました。

そして、セコンドについた、兄の尚弥選手や父親でトレーナーの真吾さんに向けて「日頃から感謝しているが、きょうは本当にありがとうと言いたい」と話していました。

そのうえで「これだけの強敵を相手に接近戦で打ち勝てたのは自信になったし、これから変わった井上拓真を見せていきたい」と意気込みました。