災害対応の体験を記録「災害エスノグラフィー」を学ぶ 仙台

13年前の東日本大震災で災害対応にあたった人の体験をありのままに記録した「災害エスノグラフィー」と呼ばれる調査・研究について理解を深めるイベントが仙台市で開かれました。

「災害エスノグラフィー」は、災害現場に向き合った人たちがそのとき何を考え、どう行動したかなどをありのままに記録した調査・研究で、宮城県内の自治体では震災の業務を経験していない若手職員が増えるなか、次の災害に役立てようとこの手法で職員の証言をまとめる取り組みが行われています。

24日は、震災の記録などを伝える活動をしている仙台市の職員の有志などが企画し防災を担当する全国の自治体職員などを対象にエスノグラフィーの調査手法を知ってもらうワークショップが開かれました。

この中で、当時、避難所運営にあたった仙台市の職員や町内会長などから専門家が実際に聞き取りを行う様子を再現しました。

このうち町内会長からは避難所に来ることを想定していなかった帰宅困難者や学生などが避難してきたため家が被災しなかった地元住民には一度、帰宅してもらったというその地域でしか語られてこなかった体験が紹介されました。

イベントの実行委員会の仙台市職員の鈴木由美さんは「エスノグラフィーには災害対応にあたった人の失敗やジレンマなど共感できる話も少なくない。災害で同じような困難が繰り返されないためにもこの方法を広めていきたい」と話していました。