金沢市 支援物資の提供 改めて呼びかけ 水などの物資減

金沢市は、市民などから寄せられた支援物資を、能登半島地震の直後から被災者に届けてきましたが、水などの物資が減ってきているとして、改めて提供を呼びかけています。

金沢市では、先月6日から定期的に市民や企業などに支援物資の提供を募り、多いときは一日720件ほど寄せられていましたが、23日は25件にとどまるなど、次第に数が減ってきているため、改めて提供を呼びかけています。

能登半島の被災地で特に必要とされているのは、断水している地域向けの水で、500ミリリットルか2リットルのペットボトルです。

また、常温で保存が可能な野菜ジュース、携帯トイレも要望が多いということです。

このほか、お茶のペットボトルや、カップ付きのみそ汁とスープ、パックごはんとレトルト食品、それに、カセットコンロや去年1月以降に購入したガスボンベも求められています。

いずれも新品、未開封のもので、飲料や食料については、賞味期限がことし6月以降のものにしてほしいとしています。

提供方法は持ち込みにかぎり、26日までの午前10時から午後4時の間に金沢市泉本町の「泉本町倉庫」で受け付けています。

23日は、市民が車で訪れ、段ボール箱に入った飲料水や野菜ジュースを運び込んでいました。

提供した金沢市の40代の女性は「できることは限られていますが少しでも役に立てるよう物資を届けに来ました」と話していました。

金沢市 能登被災地支援本部生活物資支援班の河野裕介さんは「被災地ではまだまだ支援物資が求められている状況です。皆さんの協力をお願いします」と話していました。

被災者に車を無料で貸し出し

能登半島地震の被災者に移動手段を提供しようと、乗用車や軽トラックなどを無料で貸し出すサービスが被災地の各地で始まり、3連休中に自宅の片づけや引っ越しを進めようと、車両を借りる人が多くなっています。

このサービスは、日本カーシェアリング協会が行っているもので、石川県輪島市や七尾市など、能登地方の5か所で寄付などで集めた中古車を被災者に無料で貸し出しています。

このうち、珠洲市の拠点では、今月20日から乗用車や軽トラックなど、車両4台の貸し出しを始めました。

協会によりますと、地震や津波で自家用車を失い、日常の移動手段として使いたい人のほか、被災した自宅の片づけや避難先への引っ越しなどの目的で借りたいという人が多いということです。

この3連休に休みを使って片づけなどを進めようと、車両を借りに訪れる人が相次ぎました。

車両を借りるには事前予約が必要で、七尾市の拠点では最長で1か月間
、そのほかの拠点では最長3日間、借りることができます。

協会で、現在、貸し出せるのはおよそ160台で最終的には350台ほど、車両を確保したいとしています。

日本カーシェアリング協会の橋爪笑子さんは「被災地で移動手段がないと困るので、生活再建のための一助になればと思っています。車両の寄付も受け付けているので検討してほしいです」と話していました。

断水続く穴水町 障害者施設に新たな給湯器を設置

能登半島地震の影響で断水が続く穴水町にある障害者施設「石川県精育園」は、給水車の支援を受けながら運営を続けていますが、給湯器が壊れ、日常生活に必要なお湯は十分に確保できていませんでした。

こうした中、施設から依頼を受けて大阪と兵庫から訪れた2人のボランティアが24日、食堂に新しい給湯器を設置しました。

施設の担当者はお湯が出ることを確かめると笑顔を浮かべ、早速、お湯を使って食事の缶詰めを温めていました。

石川県精育園の田中こず恵 部長は「すぐにお湯が出て便利になると思うので、手洗いや洗い物などにも活用していきたいです。多くの支援をもらって少しずつ生活しやすい環境が整ってきているので、私たちも頑張っていきたいです」と話していました。